yryrなどについてメモ(仮)

yryrなどについてのメモを置きます

さん☆ハイ11話の京ちなから、ちなつちゃんを考える

Twitterに書いたことを整理してメモ程度に。

 

さん☆ハイ11話での、寝込んだちなつちゃんに京子先輩が語りかけるところの演出改変が、京←ちな、あるいはちなつちゃんのキャラ性を表現していてよかった。

「ちなつちゃんが部活に来ないとさみしいけどさ、元気なちなつちゃんが一番だからね!」

「…もういいですから静かにしててください」

までの流れ(ゆるゆり10巻69,70ページ相当)。

 

原作ではちなつちゃんの照れは赤面→そっぽを向くの2コマで表現されてるシーン。

ここがアニメでは赤面→「ハッ」と動揺→そっぽを向くの3段階になってる。

赤面の一瞬後に動揺してるんだけど、これは京子先輩に感情を動かされたという事実への動揺と思える。

自分自身の反応に対しての反応を挟み込むことで、より一層「ガチっぽさ」が高まっている。

 

「反動形成」というやつ。

はんどうけいせい【反動形成】〔心〕欲求をそのまま満たすことが許されない時、それと正反対の行動となって表れる心の動き。(『辞林21』三省堂

 

反動形成(reaction formation)とは、受け入れがたい衝動、観念が抑圧され、無意識的なものとなり、意識や行動レベルでは正反対のものに置き換わること。本心と裏腹なことを言ったり、その思いと正反対の行動をとる。憎んでいるのに愛していると思い込んだり、愛他主義の背後に実は利己心があったりと、性格として固定されることも多い。(防衛機制 - Wikipedia

 

ちなつちゃんの認めたくない本心・欲求は、もちろん「京子先輩への好意」。

さん☆ハイ11話の流れは、先輩の言葉に赤面→喜んでいる自分に気づく→その否定と言い換えられる。

ちなつちゃんは自分で思っているよりずっと先輩のことが好きで、しかしそのことを認めたくない。

「どうして京子先輩にちょっと優しいこと言われたからって、こんなに喜ばなくちゃいけないの!?」

 

(ここから、解釈の領域に入るけど)

なぜちなつちゃんは京子先輩への好意を認めたくないのか。

 

①ちなつちゃんの精神は未熟で、「誰かが好き」という感情そのものにまだ耐えられない

②結衣先輩への気持ちとバッティングするから

③結衣先輩への気持ちより京子先輩の気持ちが大きかったから

 

①は櫻子ちゃん・綾乃ちゃん的(?)なケース。典型的なツンデレ的情動。

 

②はちなつちゃんの貞操観念というか、「私は結衣先輩ひとすじ!」という自己イメージに反する感情を受け入れたくないということ。

これはかなりありそう。

 

③が問題。

個人的には、原作66話およびさん☆ハイ11話の風邪回はこちらを示唆するのでは、という考え。

京子先輩と結衣先輩の二人からかけられた同じ「ちなつちゃんが学校来ないのはさみしいけど元気なちなつちゃんが一番」という言葉に対して、ちなつちゃんは二通りの反応をする。

京子先輩に対してはやんわりとした拒否の態度。

結衣先輩に対しては喜んで受け入れる。

京子ちゃんはこの落差を見てショックを受けるが、むしろこれこそがちなつちゃんのなかの「京子先輩≧結衣先輩」を示してしまっているのではないか。

ちなつちゃんにとって京子先輩への気持ちの方が内面の真実により近いがために、結衣先輩への気持ちよりずっと「危険」。

だから危険な京子先輩への気持ちは態度で否定し、受け入れやすい、安全な結衣先輩への気持ちは素直に表現できる。

 

願望入ってるかも。

①だけで言うと、これは結ちなデート回(6巻Special.4)での内省から見て、否定したくなるけど、③は①の派生型とも言える(好きに耐えられない)。

うんでも、やっぱり結ちなデートで肯定された結←ちなが「本当の気持ち」じゃないというのはズルいので、①②の折衷あたりが「事実」かも、はい。

 

――――――――

ちなつちゃんが京子先輩への気持ちを発見する描写は7巻の巻末おまけまんが⑦でもあった。

京子先輩の「だって今のままで十分可愛いじゃん!!」の台詞に、一瞬「どきっ」とする。

このときはその「どきっ」の理由が自分自身わからない様子で最後のコマで首を傾げる。

 

さん☆ハイ11話はこのおまけまんが⑦の続きを描いたようで、とてもよかったというお話でした。

 

ところで、ちなつちゃんの髪を本人に内緒で撫でる結衣先輩(7巻おまけまんが⑤)と、ちなつちゃん本人が「子供っぽい」として変えようとした髪型に「今のままで十分可愛いじゃん!!」と直接言ってのける京子先輩という対比、結ちな的にも京ちな的にも萌えますね。おわり。

 

(「反動形成」は俗流解釈です。)(引用しなくてもよかった。)

(どうにも思いを尽くせないけどこれで終わり。)